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  学生にすすめるこの一冊  (工学部)

 図書のは,図書館本館,(医・農分館を含む)開架図書で,配置場所を示す請求記号を明記しています。

村上 幸一 先生 (機械工学科) 八木 秀次 先生 (機械工学科)
矢野 忠 先生 (電気電子工学科) 磯村 滋宏 先生 (電気電子工学科) 坂田 博 先生 (電気電子工学科)
田崎 三郎 先生 (電気電子工学科) 小野 和雄 先生 (電気電子工学科) 津田 光一 先生 (電気電子工学科)
市川 裕之 先生 (電気電子工学科)
室 達朗 先生 (環境建設工学) 羽藤 英二先生(環境建設工学)
田中 寿郎 先生 (機能材料工学科) 平岡 耕一 先生 (機能材料工学科) 青野 宏通 先生 (機能材料工学科)
井上 賢三 先生 (応用化学科) 松田 晃 先生 (応用化学科) 田村 実 先生 (応用化学科)
大上 健二 先生 (情報工学科) 定松 隆 先生 (情報工学科) 山田 宏之 先生 (情報工学科)
天野 要 先生 (情報工学科) 村田 健史 先生 (情報工学科)


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  村上 幸一  先生  (機械工学科)

 *1) 義経 (司馬遼太郎全集)
     司馬遼太郎著  
       文藝春秋  1971
    請求記号:918.68/S10/21   
  
 *2) 燃えよ剣 (司馬遼太郎全集)
     司馬遼太郎著  
       文藝春秋  1971
    請求記号:918.68/S10/6

 私が学生時代にはまってしまった司馬遼太郎の小説には多くの長編があるが、比較的
短いものをあげております。主人公の義経ではなく鎌倉幕府を作った仇役の頼朝、幕末
のあだ花新撰組を作った土方歳三が非常に魅力的で、私の物の見方に大きく影響しました。
なお、はまってしまうと、非常に長い小説が多く途中で読むのをやめられないので、期末
試験時には大変困った事態となります。要注意!!ただし、本箱には漫画を含め私の好き
な作家の本を並べてありますが、私の子供達は全く読もうとしないことを、付け加えておきます。


八木 秀次 先生 (機械工学科) *1) ゼミナ-ル現代企業入門 日本経済新聞社編 日本経済新聞社 1990 請求記号 335.2/NI 本文中に「スタンフォ-ド大学では,1番優秀な学生は中退して自分で ビジネスを始める。2番目に優秀な学生は卒業してからビジネスを起こす。 平凡な学生は大企 業に入る。」という下りがあります。これは,アメリカ の学生の目的意識の高さとともに,同じ資本主義体制ながらそれを実現できる, 世の中の仕組み大きい違いを感じます。日本経済建て直しの鍵は,この辺に ありそうな気がします。 少々厚いですがこの本の内容は実に具体的でわかりやすく,学問として読む 必要のない工学系の学生にとっては,実に有益な”読み物”だと思います。 *2) ゼミナ-ル国際経済入門 伊藤元重著 日本経済新聞社 1989 請求記号 333.61/IT
矢野 忠 先生 (電気電子工学科) *1) 量子力学 Ⅰ 朝永 振一郎著 みすず書房 1969 第2版 請求記号 429.1/T2 学生の頃に仲間で集まって読んだ。その後教師になって教科書として2,3回は採用した。 何回読んでも学ぶべきところがある。急ぎの用には間に合わないかもしれないが,読むに値 する本とはこんな本を言うのだろう。 最近はこんなまだるこしい本なぞ見向きもされないだろうか。残念である。 量子力学における世界の 三大名著の一つを日本語の原書で読めるなんて。 *2) マインド・コントロ-ルの恐怖 スティーウ゛ン・ハッサン著 浅見定雄訳 恒友出版 1993 請求記号:145.4/HA *3) マインドコントロ-ルからの解放:愛とは何か生とは何か オウム真理教信徒救済ネットワ-ク編著 三一書房 1995 請求記号:169.1/OM 4) 物理学入門 武谷 三男著 季節社 1977 *5) 無限と連続 (岩波新書) 遠山 啓著 岩波書店 1980 改版 請求記号 080/I1
磯村 滋宏 先生 (電気電子工学科) *1) 幸福論 (岩波文庫)     三谷隆正著  岩波書店  1992  これは既に,教養書として古典となっているものだ。つまり,いつになっても古くなら ない,新しい本である。無教会キリスト者である著者(1889-1944)は,法哲学の権威とし て知られ,旧制静岡高校の校長を勤めた教育者である。歴史と哲学とそして,そして自身 の信仰を基にして,「幸福」を大きく,深くとらえ,それを分かりやすく説いている。全集 刊行についての座談会(元東大総長南原繁,東大名誉教授丸山真男:いづれも当時,他)が 付録についているが,これも著者を理解するには非常によいものだ。 *2) COSMOS (上)(下)    カ-ル・セーガン著 木村繁訳    朝日新聞社 1980    請求記号:440/S4/1-2  3) 瀬戸大橋をかけた男    河口栄二著  三省堂 1988
坂田 博 先生 (電気電子工学科) *1) 隆 慶一郎全集 全6巻 隆 慶一郎著 新潮社 請求記号 918.68/RY 隆 慶一郎は,60才までシナリオライター・池田一朗として活躍し,1990年 67才で他界するまでの僅か6年間に,20数冊の時代伝奇小説の傑作を残しています。 実在の歴史上の人物と,放浪の自由民『道々の輩』を,自在に活躍させて時代小説 の新しい波を造ったと言われています。私の面白かった物を挙げてみますと,カブキ者 ・前田慶次郎の一代記『一夢庵風流記』,徳川家康は関ヶ原で偽者にすり代ったと いう『影武者徳川家康』,徳川家康の三男で伊達政宗の婿となる『捨て童子・松平忠輝』 ,遊郭・吉原の秘密に材を取った『吉原御免状』『かくれさと苦界行』の連作,など 長編は殆ど全てとなってしまいます。  幸い,隆慶一郎全集が図書館3階に揃っていますので,どれからでも読んでみて *2) 突破者:戦後史の陰を駆け抜けた五〇年 宮崎 学著 南風社 1996 請求記号:289.1/MI 日本にもこんなヤバイ男がいた!という帯の通り,京都伏見 のヤクザの家に生まれ,早稲田 大学で秘密ゲバルト部隊に属し,週刊誌記者を経て,家業の土建屋を継ぎ,グリコ事件のキツネ目 の男に間違われ,地上げ屋らしきこともやった男の自伝的半生記です。  全共斗側から(例えば”テロリストの パラソル”)でなく,機動隊の自慢話(例えば”東大落城”) でもなく,民青の行動隊長からみた大学闘争の部分が興味深い。それだけでなく日本のこの50年 の裏面史として,最近こんなに読み出したら面白くて止めれない本はめったにありません。  *3) 太閤の城 (PHP文庫) 安部龍太郎著  PHP研究所 1994 請求記号:913.6/AB *4) 本多の狐:徳川家康の秘法(講談社文庫) 羽太雄平著  講談社 1992 請求記号:913.6/HA *5) 龍の見た夢 (講談社文庫) 羽太雄平著  講談社 1992 請求記号:913.6/HA
田崎 三郎 先生 (電気電子工学科) *1) 街道をゆく(司馬遼太郎全集) 司馬遼太郎著 文芸春秋 1984     請求記号:918.68/S10/  このシリーズは,国内外の各地の歴史と文化を自らの眼と足で確かめた,司馬史観の 集大成ともいえる大作である。各巻はそれぞれ独立した内容を持ち,国内は「甲州街道」 に始まり全国津々浦々を,国外は「モンゴル」に始まり世界のあちこちにその足跡は広が っている。これらはいずれも,学校の歴史では決して学べない貴重な歴史,文化の真実を 私達に教えてくれる素晴らしい本である。愛媛に関係する下記の書と共に,皆さんに是非 在学中に読んで欲しいものである。 (先生紹介の図書は,文庫本版です) *2) 空海の風景(司馬遼太郎全集) 司馬遼太郎著 文芸春秋 1984     請求記号:918.68/S10/ *3) 坂の上の雲(司馬遼太郎全集) 司馬遼太郎著 文芸春秋 1984     請求記号:918.68/S10/ *4) 胡蝶の夢(司馬遼太郎全集) 司馬遼太郎著 文芸春秋 1984     請求記号:918.68/S10/ *5) 花神(司馬遼太郎全集) 司馬遼太郎著 文芸春秋 1984     請求記号:918.68/S10/ *6) アメリカ素描    司馬遼太郎著  読売新聞社 1986    請求記号:915.6/S6 (書庫)
小野 和雄 先生 (電気電子工学科) 読書を楽しむ方法として乱読を薦めたいと思います。多くの本を読んでいるうちに,自分の好み も決まってくるものです。何かが身につくためには,それなりに身を削らければならない。 読書法も又同じです。題名を見ただけで,読みたい本か,そうでないかが閃くようになるまでには, つまり,開高健の言う「一言半句」が手に取る本に目につくようになるには,乱読しかあるまいと 思うのです。結局,読書の楽しみは,自分で好きな本,或いは作家を探し当てることです。 *1) 二重らせん (講談社文庫) J.D.ワトソン著 江上不二夫,中村桂子訳 講談社 1986 請求記号:464.27/WA 大学4年の卒業研究が終わり,大学院へ入学する前に読んだので,もう25年以上 になります。早く就職して独立したいという気持ちがありながら大学院進学を希望し, 研究をして暮らせればと思い始めた頃だった。研究を自分でやり始め,改めて分かる ことも出てきます。 何をしなければならないかは当然であるが,何を省かなければならないか,集中で きるテーマを探せるか,集中して一つの問題を長い間考えることのできる「強い頭」 が必要であること,などが分かってきた。多分,この書物は他の人からも紹介がある はずです。色々な見方のある本だと思います。 *2) ご冗談でしょう,ファインマンさん:ノ-ベル賞物理学者の自伝 R.P.ファインマン著 大貫昌子訳 岩波書店 1986 請求記号 289.3/F5 ファインマンの自伝です。この後本人及び身近な人によるファインマンに関する 一連のシリーズが出版されているので,興味があれば読むことを薦めます。 この本ではなかったかも知れませんが,私にとっては自信たっぷりのファインマン がスランプに落ち込んだときの対処の仕方が印象に残っています。最初のスランプ は大学に職を得た頃ですが,ノーベル賞受賞後にもスランプに陥っています。 後者は「二重らせん」の原稿を読んだ後,抜け出すきっかけをつかんだようです。 対処の方法は同じ「無視」だったと覚えています。 *3) 流亡記 (開高健集) 開高健著 新潮社 1971 (新潮日本文学63) 請求記号 918/S5 内容との類似点は全くないのですが,最初にこれを読んだとき,ある箇所で私の 父を思い出し,読み返してもその感じが残っています。著者の「日本三文オペラ」, 「輝ける闇」,「夏の闇」なども好きな作品です。彼はエッセイ,ルポルタージュ, 雑文と分類されるものを沢山書いています。その中には,小説のあの部分でこの話 を使っているなと思わされるものが多数あります。色々な経験や事実を蒸留して書 いているのが彼の小説です。もちろん,「私の釣魚大全」,「フィッシュ・オン」, 「オーパ!」など,釣りに関するエッセイやノンフィクションは大変楽しいものです。 「流亡記」は個人的な思い出があるので出しただけで,きっかけにすぎません。 特定の図書としてではなく作家として推薦します。 4)白い国籍のスパイ ヨハネス・マリオ・ジンメル(J.M.Simmel)著 祥伝社 1981  開高健の書評を読んで読む気になりました。バートランド・ラッセルがこの本を 読んで,「こんなにユーモアに富んだドイツ人がいるとは・・・」と著者の紹介に ありました。あのラッセルがスパイ小説を読んでいるところを想像してみて下さい。 ドイツ語を勉強した人は是非原題を見て下さい。とてもスパイ小説(いわゆる巻き 込まれ形,後で確信犯のパターンですが)の題名とは思えません。この本は見つけ にくいので,出版社を書きましたが,次の作家はハードボイルドの小説が好きな人 には,あまりに有名です。シェークスピアはバイブルに次いで文章が引用される作家 だそうです。 以下の文章は,それほど有名ではありませんが,亜流が出るほどには有名です。 一昔前,角川映画で似た宣伝文句が使われていたように思いました。もちろん, 著作権の関係から全く同じ文句にはできないでしょう。しかし,映画の宣伝は肝心な ところが違っているという丸谷才一のエッセイを読んだ覚えがあります。 寡作な作家R.チャンドラーの最後の長編小説からの引用です。 How can such a hard man be so gentle?と女性に聞かれて,主人公が応えます。 If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive. どうです,チャンドラーの本を読んでみたくないですか。私は日本語訳を読みま したが,英語が得意な人は原語でどうぞ。書物を探すことから読書は始まるとすれば, この文を読んで,興味がわいた書物は自分で探して下さい。書物なり,作者なり発見 の楽しみを味わって下さい。
津田 光一 先生 (電気電子工学科) *1) 数学的センス    野崎昭弘著  日本評論社 1987    請求記号:410.4/NO  数学が苦手な諸君にも「数学とはどんな学問なのか? どこが面白いのか?」といった ことについて,中学生程度の数学の知識だけで理解出来るように説明,解説されている本 です.各章の扉に引用されている文章や本文の書きぶりにニューモアを基調にした著者の 熟達の技が溢れている名著です。一例を上げれば,xを見ただけで気持ちが悪くなるとい う数学アレルギーの諸君にも第一章の「命名のセンス」はすんなり読めて「なるほど! なんでxなんて使わなければいけないのか初めて分かった!」と言ってもらえるはずです。 また,「数学の美しさとは?」といったことが分かりやすく解かれていて,数学なんて無味 乾燥の学問と思っていた諸君には目からウロコが落ちること請け合いです.読んでみて ください。  2) アインシュタイン伝 (新潮文庫)     矢野健太郎著  新潮社  1997 *3) 怠け数学者の記     小平邦彦著  岩波書店 1986   請求記号:410.4/KO *4) 父の威厳 数学者の意地 (新潮文庫)    藤原正彦著  新潮社 1997   請求記号:914.6/HU 5) 数学の影絵(河出文庫)    吉田洋一  河出書房新社 1982  *6) 広中平祐の数学教室 : 誰でも数学が好きになれる     広中平祐著  サンケイ出版 1985     請求記号:410/H8
市川 裕之 先生 (電気電子工学科) *1) 即興詩人    アンデルセン著 森鴎外訳   岩波書店,1969    請求記号:上巻 080.4/I1/96(1)         下巻 080.4/I1/96(2)  原作は童話で有名なあのアンデルセンである。中学か高校の国語の授業の日本文学史の 単元で,森鴎外の訳文はアンデルセンの原作よりも素晴らしいと評されている,と習った ことがいつまでも頭に残っていた。ようやくその本を手にした大学4年生の時のこと, はたして,雅文調の文体は美しかった。小説の内容自身はもはやあまり受けることのない メロドラマであって,欧州でも評価されなくなっていたのだが,日本では鴎外の名訳に より長く人気を博しているのだと聞いていた。まさに流れるような文章に引きずり込まれて, 岩波文庫の上下二巻をあっと言う間に読んでしまった。  本当ならば,恋に恋する高校生の頃に読んでいて貰えれば,大学生の日本語に苦しむ 私達の仕事も随分と楽になると思うのだが。
室 達朗 先生 (環境建設工学) *1) アメリカはなぜダム開発をやめたのか    公共事業チェック機構を実現する議員の会編    築地書館 1996     請求記号:517.7/KO   公共事業とは何か,税金の無駄づかいではないのかを問いかけ,米国の河川政策転換の 背景や公共事業への市民活動組織の関わりと取り組み事例などを交えながら,近年の米国 における政策形成のプロセスを紹介し,日本における行財政改革と公共事業チェック機構 実現の必要性について問うている。 *2) 免震 : 地震への絶縁状     多田英之著 小学館  1996     請求記号:524.91/TA *3) 海洋の波と流れの科学     宇野木早苗/久保田雅久著   東海大学出版会 1996     請求記号:452.12/UN *4) 日本の水景 : 持続する僕の風景     篠原修文   三沢博昭 河合隆當写真. -- 鹿島出版会  1997     請求記号:013/SI *5) 世界の地形     貝塚爽平編  東京大学出版会 1997 請求記号:454/KA(本・開架) 454/SE(農・開架) *6) 百年ダムを造った男 : 土木技師八田與一の生涯     斎藤充功著  時事通信社  1997     請求記号:289.1/SA
羽藤 英二 先生 (環境建設工学) *1) 空の色    HABU 著    ピエ・ブックス 2000    請求記号:748/HA  学生時代,アジアや欧米の国々を無銭旅行していた頃があった。安宿やバスディーポ はそういう連中の溜まり場で, 「あの町は治安は悪いけど,1ヶ月$3 で過ごせるぞ」 とかそういう話をきき,ぷらぷらしていた。  そういう場で,中には大変すぐれた感性をもつ人達に出会ったが,大半はただアジアに 行ってみただけの人々が多かった。話すことはただのつまらない一方的な自慢話である ことが多く,話のすべてがきわめて退屈であった。見ること自体には何の意味もない, のだと思った。見て何を考えたかが重要なんだろう。考えるには,それなりの教養がい る。大学で講義を受けることはすべてではないけれど, 一定の勉強をしたという物差 しにはなる。いろいろな国に行くなら勉強してから行けと言いたい。間違っても行った だけで人生が変わったりしない。世界には解決しなきゃいけない問題があるし,紛争の 中,貧困に喘いでる人々もいる。そういう問題を自分の問題に置き換えて,何かを感じ 行動に移せる人は少ない。何も考えない物見遊山の自分探しなら炬燵の中でテレビを見 ていれば十分だろう。ただ,不思議なことだが,あの頃眺めた,地平と空の強烈な景色 が記憶に残っている。学生時代,何を考えたか,何を思ったか,そういうことは自分が 死ぬ前にすべてアタマから抜け落ちるのだろうが,あの日々に見た空や土塊の匂いは忘 れないかもしれない,と思う。  様々な空の色がこの本におさめられている。ブロークンヒルの赤土の向こうの真っ赤 な夕焼けや,太平洋上の飛行機から眺めた夜明けの光が雲に色をつけていくさま,そう いう空の色の,どこかすべてが懐かしい。
田中 寿郎 先生 (機能材料工学科) *1) ゲージ場を見る : 電子波が拓くミクロの世界     (ブルーバックス)     外村彰著  講談社 1997     請求記号:080/BU/1162  筆者の外村彰氏が自ら世界に先駆けて実用化した電子線ホログラフィーをもちいて、 電磁気学で一番難解なベクトルポテンシャルを直接目で見える形で示してくれる。多数 のすばらしい写真により、直感的にベクトルポテンシャルの存在を理解でき、著者の含蓄 深い説明は読者をいつのまにかゲージ場の世界に引きずり込んでしまう。まさに”百聞は 一見に如かず”と言うことわざを実感できるすばらしい一冊です。 *2) 遥かなるスミソニアン   松本栄寿著  玉川大学出版会 1997     請求記号:069.0253/MA  この本は、横河電機に勤める著者が、会社の創立を記念して計画している”はかる”博物館 の準備のためにアメリカのスミソニアンに留学し、メリーランド大学の科学史の講義を受け、 博物館や展示とはどうあるべきかという問題を修得していく過程を著者にまとめたものです。 日米の博物館展示に関する考え方の相違、そして科学技術をどのように伝えるべきか考えさせられます。 *3) 鉄、千年のいのち    白鷹幸伯著   草思社 1997    請求記号:566.2/SI   ”高純度鉄はさびない”と言う知識は学生時代から知識として知っていたが、実際に 純度の高い鉄が飛鳥、白鳳時代の建築で用いられたとは知らなかった。技術発達した現代 でも、古代建築の修理のために著者である松山の鍛冶屋が1000年もつ釘を打っている。 我々の地元松山にこんな技術を持った方がおられたと言う新鮮な感動と、教科書には書いて いない材料の持つ奥深さを実感させられる。材料はおもしろい。
平岡 耕一 先生 (機能材料工学科)  *1) 物質の量子理論     J.C.スレーター著 大森恭輔〔ほか〕訳     共立出版  1956     請求記号:408/K1 (書庫)  2) Quantum theory of matter  2nd ed      John C. Slater New York : McGraw-Hill, c1968  機能材料の物性をミクロ(微視的)の観点から研究するためには,量子力学のある程度 の知識は必須のものとなる。この本は少し古く,最近物質理論の量子論の良くまとまった 教科書も出版されており参考になるが,夏休みにじっくりと考えながら読めば,学生諸君 の知的欲求を充分に満足させてくれるものとなろう。特に多重項について書かれている章 は一読に値する。 *3) 物質の量子力学     岡崎誠著  岩波書店 1995     請求記号:420.8/NA/6
青野 宏通 先生 (機能材料工学科)  *1) 無機化学     リー著 浜口博, 菅野等訳     東京化学同人 1982     請求記号:435/L3/  *2) 有機化学  第3版       R.T.モリソン,R.N.ボイド著     中西香爾, 黒野昌庸, 中平靖弘訳 東京化学同人 1977     請求記号:437/M6 *3) 学術用語集 : 化学編 増訂版     文部省[編] 南江堂 1979 請求記号:430.3/M3/=8 (参考) *4) 化学英語の活用辞典  縮刷学生版     千原秀昭[ほか]編  化学同人 1973 請求記号:430.3/K5/=2 (参考)  最近の教科書は,要点だけ簡潔にまとめたものが多く,値段が安く,読みやすいという点 では優れている。しかし,実際このような本は,専門的に深く掘り下げて行くと,肝心なと ころが多く抜け落ちており全く役に立たないことが多い。一方,分厚い教科書は,値段が高 く,要点がわかりにくい点から敬遠しがちであるが,よい本を吟味して選べば,時分にとっ て座右の名著となりうる。1)2)で紹介した2冊は,小生が学位取得のための専門試験を 受けるときに勉強した教科書のうちの2冊であり,2)の有機化学などは全く専門外であっ たが,説明が豊富で構えずに読める本であった。また,理系の学生は学術用語集の購入が必 須であり,化学・材料系の学生は英語の論文を読むために3)の用語集,英語の論文を書く ためには例外が豊富な4)の辞典の購入を推薦する。
井上 賢三 先生 (応用化学科)  *1) 逆説・化学物質:あなたの常識に挑戦する ジョン・エムズリ-著 渡辺 正 訳 丸善 1996 請求記号:430.4/EM *2) 知識人の生態 (PHP新書) 西部 遭著 PHP研究所 1996 請求記号:361.84/NI *3) CMをにぎわしたヒット商品 「化学」編集部編 化学同人 1996 請求記号:570.7/KA *4) 化学物語25講:生きるために大切な化学の知識 芝 哲夫著 化学同人 1997 請求記号:430/ST
松田 晃 先生 (応用化学科)  *1) 総合雑誌 : 文芸春秋,中央公論,世界,論座,現代 等  20世紀における科学技術の進展は著しく地球上の生物の生存にまで影響を及ぼしています。 一方,人は個人として自立しえないまま個としてあろうとして精神の平衡を失い様々な事件を 起こしているように思われます。これら二つの事象は相互に関連しあっていて,総合雑誌は, 現在を基点として過去を振り返って未来を見通す多種多様な材料を提供してくれるでしょう。 今の時代は人間と自然の問題が絡み合っており,学生時代に文系・理系の枠を越えて様々な問題 について自分なりに思考できる訓練をしておくことが望まれるので,偶には総合雑誌を手にとって みることを勧めます。
田村 実 先生 (応用化学科)  *1) 分子細胞生物学 上・下 H.Lodish[ほか]著 野田春彦[ほか]訳 東京化学同人 第3版 1997 請求記号:463/BU/ (医・農・開架にもあり) 現代生化学,分子生物学の最先端の成果を網羅している。 特に遺伝子工学に代わって時代の波になりつつある”細胞”を主眼においている。 *2) 分子細胞生物学辞典 村松正実[ほか]編 東京化学同人 1997 請求記号 463.03/BU (参考図書 医・農にもあり) *3) ヴォート生化学 Donald Voet, Judith G.Voet著 田宮信雄[ほか]訳 - 第2版.- 東京化学同人 1996 請求記号 463/VO *4) 生化学 Lubert Stryer著 田口マミ子 [ほか]訳 第4版 トッパン 1996 請求記号:464/ST (医・農・開架にもあり) *5) 遺伝子工学実験ノ-ト 田村隆明編 羊土社 1997 請求記号:467.2/TA (医・農・開架にもあり)
大上 健二 先生 (情報工学科) 1) やわらかな心 (講談社文芸文庫)      吉野秀雄著   講談社  1996 若き頃,鎌倉の瑞泉寺に春の花々を観にいったとき,吉野秀雄の歌碑に目がくぎづけに なった。吉野秀雄は,正岡子規の「竹乃里歌」に感応して歌を学びはじめ,會津八一の弟子 となり,良寛を師とした歌人である。吉野秀雄は,子規と同様病に苦しみ,他人には悲壮と みえる生活の中,誠実な心にあふれ,明朗であって強靭に生きた人である。この本 「やわらかな心」はこの歌人の随筆集である。この本の文章にはどこを探してもうそがな一つ もなく,この人の生きざまに接すると心が洗われ,何が最も大切かが観えてくる。ぜひ座右の書 としてほしい本である。 *2) 春風夏雨 (角川文庫)      岡潔著   角川書店 1970     請求記号:X049/2(医・開架) *3) 冬のかたみに     立原正秋著  新潮社 1980     請求記号:918.6/S1/61 4) 小説渡辺崋山 1-8 杉浦 明平著     朝日新聞社 1982
定松 隆 先生 (情報工学科) *1) 世界の歴史     樺山紘一 編他  中央公論社 1996     請求記号:209/SE ボ-ダレスとかグローバリゼイションとかいわれる国際化している現代,世界の 各地域或いは各国の成り立ち,移り変わりの歴史を知ることは重要だと考えます。 2) 宮崎市定全集 宮崎市定著 岩波書店 1991 *3) 解析学小景 溝畑 茂著 岩波書店 1997 請求記号:413/MI *4) 字通・字統・字訓 (3部作) 白川 静著 平凡社 請求記号 813.2/SI,822.03/SI,813.1/SI (参考図書)
山田 宏之 先生 (情報工学科) 1) 宮本武蔵  (講談社文庫)      吉川英治著   講談社 1971  大学院生の時に読みました。一つの道を究めようとする武蔵の生き方は,何かを達成 しようとするときに,大切だと思いました。長編ですが,じっくりと読んで自分の生き方 を考えてみては如何でしょうか? 2) Xの悲劇 (創元推理文庫)    エラリー・クィーン著 鮎川信夫訳     東京創元社  3) Yの悲劇 (創元推理文庫)    エラリー・クィーン著 鮎川信夫訳     東京創元社  4) Zの悲劇 (創元推理文庫)    エラリー・クィーン著 鮎川信夫訳     東京創元社  5) レーン最後の事件 (創元推理文庫)     エラリー・クイーン著 鮎川信夫訳.    東京創元社 
天野 要 先生 (情報工学科) 1) 音声認識の基礎      Lawrence Rabiner, Biing-Hwang Juang共著      古井貞煕監訳      NTTアドバンステクノロジ 1995  情報工学科3回生の集中講義「音声情報工学」を担当される北澤茂良先生(静岡大学教授) の推薦です。この分野の良い本で,先生の講義でも使用されるそうです。
村田 健史 先生 (情報工学科) *1) 男と女の進化論 竹内久美子著 新潮社 1990 請求記号 481.78/TA 竹内久美子さんは京都大学理学部の博士過程に在籍されていた方で,この本は「男と女」の話を 生物学的観点から説明したものである。「男と女の進化論」の根底にあるのはド-キンスの 「利己的な遺伝子」という考え方である。 人間の行動は遺伝子の意思によって決定されるという観点から,男はなぜ浮気をするか,嫁と姑 の問題はなぜおこるかなどを説明しており面白い。人間の本能的な行動を科学によって説明している 手法は,最近の理科離れということを危惧される方には是非読んでもらいたい。 *2) かけがえのない、この自分 : 教育問答 遠山 啓著 太郎次郎社 1987 新装版 請求記号:370.4/TO *3) いかに生き,いかに学ぶか 遠山 啓著 太郎次郎社 1978 請求記号:114.2/T1 (書 庫) *4)イニュニック:生命・アラスカの原野を旅する 星野道夫著 新潮社 1993 請求記号:295.394/HO *5) 隠された十字架:法隆寺論 梅原 猛著 新潮社 1981 請求記号 188.245/U1
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